低用量ピル外来・漢方
低用量ピル外来・漢方

低用量ピルは
当院では、これまでの月経の状況やご病気の有無、生活の様子をうかがい、必要な検査を行ったうえで低用量ピルを処方しています。
また、体質や症状によっては漢方薬による治療もご提案しています。どちらが向いているか分からないという段階でのご相談も歓迎しています。
低用量ピルは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの二つの成分を含むお薬です。飲み続けることで排卵が抑えられ、ホルモンの変動がゆるやかになります。その結果、子宮内膜が厚くなりすぎず、生理に伴う症状が軽くなることが期待できます。高い避妊効果も得られます。
含有する黄体ホルモンの量や、種類の違い(世代)、ホルモン量のパターン変化の有無(相性)などによって様々な種類に分類されています。それぞれ、不正出血が出にくい、より副作用リスクが少ない、ニキビやむくみが出にくい、自然なホルモンバランスの変化に近いなどの特徴があります。
どの低用量ピルも1日1錠を毎日ほぼ同じ時間に服用します。21錠タイプと28錠タイプがあり、21錠タイプは自分で7日分の休薬期間を作ります。28錠タイプにはお薬の成分が入っていない錠剤が7日分含まれています。休薬期間を自分で作る必要がないため、毎日飲む習慣を維持しやすく、飲み忘れ防止に役立つ場合があります。連続して服用する日数をさらに延ばして、生理の周期を3〜4か月に1度にしてしまう連続投与というタイプもあります。休薬期間の疼痛や出血が強い方は、連続投与で1年の月経回数自体を減らせることが期待できます。
それぞれ飲み方も期待できる効果も特徴がありますので、患者様お一人おひとりに合った低用量ピルをご相談させていただきます。
同じ低用量ピルでも、目的によって保険適用の可否が変わります。
治療を目的とする場合(LEP製剤)
月経困難症、子宮内膜症に伴う痛みなどの治療を目的とする場合は、保険が適用されます。症状について詳しくは月経困難症・PMS・月経移動をご覧ください。
避妊を目的とする場合(OC)
避妊を主な目的とする場合は自費診療となります。ほかの避妊方法とあわせて検討されたい方は避妊相談をご覧ください。
なお、治療目的で服用している場合でも、結果として避妊の効果は得られます。どちらに該当するかは診察のうえで判断しますので、ご希望や症状をお聞かせください。
現在当院では、避妊目的のピルはマーベロン、アンジュ、スリンダを取り扱っています。
効果の現れ方には個人差があります。服用を始めてすぐに実感される方もいれば、数か月かけて徐々に落ち着いてくる方もいらっしゃいます。
初診では、次のような流れで進めます。
問診
月経の状況、これまでのご病気、服用中のお薬、喫煙の有無、ご家族の病歴などをうかがいます。
血圧測定・体重測定
服用の可否を判断するために必要です。
必要に応じた検査
血液検査、超音波検査、子宮頸がん検診などをご案内することがあります。
お薬の説明
服用方法、飲み忘れたときの対応、副作用についてご説明します。
服用開始後は、体調の変化を確認するために定期的な受診をお願いしています。継続してお飲みいただく間も、年に一度は血液検査やがん検診(子宮頸がん・子宮体がん・卵巣)などで体の状態を確認していきます。
服用を始めて間もない時期には、吐き気、頭痛、乳房のはり、不正出血、むくみなどがみられることがあります。多くは2〜3か月のうちに落ち着きますが、症状が続く場合や強い場合は、種類の変更や中止を検討します。
低用量ピルで注意が必要なのが血栓症です。血液のかたまりが血管に詰まる病気で、頻度は高くありませんが、服用開始から3か月以内と、休薬後に再開したときに起こりやすいことが知られています。
次のような症状があらわれた場合は、服用を中止して速やかにご連絡ください。
次のような方は、服用できない、または慎重に判断が必要となります。
持病やお薬について気になる点があれば、診察の際にお知らせください。服用が難しい場合でも、他の治療法をご提案できることがあります。
1錠飲み忘れに気づいた場合は、気づいた時点ですぐに服用し、その日の分は通常どおりの時間に服用します。2錠以上の飲み忘れがある場合や、どう対応すればよいか分からない場合は、自己判断せずにご連絡ください。
飲み忘れがあった期間は、避妊の効果が十分に得られないことがあります。
以前のホルモン量が多いお薬では体重増加がみられることがありましたが、現在の低用量ピルで体重が大きく増えることは多くありません。飲み始めにむくみを感じる方はいらっしゃいます。
服用をやめれば排卵は戻ります。服用していた期間の長さによって、その後の妊娠しやすさが左右されるという報告はありません。
健康状態に問題がなければ、閉経を迎えるころまで継続できます。ただし年齢や喫煙の有無などによって判断が変わるため、定期的に確認していきます。
低用量ピルに対しては、「ホルモンの薬は体に負担がかかりそう」「一度飲み始めたらやめられないのではないか」といった不安の声をよくうかがいます。
低用量ピルは、含まれるホルモンの量をできるだけ抑えた薬剤です。服用をやめれば、通常は次の周期から排卵が戻ります。長期間の服用については、卵巣がんや子宮体がんの発症リスクが低下するという報告もあります。
一方で、血栓症をはじめとする注意すべき点もありますので、利点と注意点の両方をご説明したうえで、服用するかどうかを一緒に判断していきます。
説明を聞いたうえで、その日は服用を始めないという判断でも構いません。ご自身が納得されてから始めていただくことを大切にしています。
初経を迎えたあとであれば、10代の方でも服用いただけます。生理痛が重く学校生活に支障が出ている場合や、経血量が多く貧血がある場合には、治療の選択肢のひとつになります。
骨の成長への影響を心配される方がいらっしゃいますが、初経後であれば大きな問題はないと考えられています。保護者の方とご一緒にご説明を聞いていただくこともできます。10代の方に多いお悩みは思春期のお悩みにまとめています。
低用量ピルを飲みながら妊娠した場合でも、これまでの報告では、赤ちゃんの奇形が増えるという明らかな根拠は示されていません。妊娠に気づいた時点で服用を中止し、ご相談ください。
低用量ピルよりホルモンの量が多い中用量ピルは、生理日を移動させたいときや、出血が続いて止めたいときなどに、期間を限って使用します。
毎日続けて服用するものではなく、目的に応じて短期間だけ用います。吐き気が出やすいため、必要な場合は吐き気止めをあわせて処方します。生理日の調整については月経困難症・PMS・月経移動をご覧ください。
漢方薬は、体質や症状の現れ方をふまえて処方するお薬です。低用量ピルが使えない方、ホルモン剤に抵抗がある方、冷えやむくみ、疲れやすさ、精神的な不調を伴う方などに用いることがあります。
婦人科でよく用いられる漢方薬には、当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸などがあります。
同じ症状でも、体格や冷えの有無、胃腸の丈夫さなどによって適した処方は異なります。効果があらわれるまでには数週間から数か月かかることが一般的です。
漢方薬も医薬品ですので、胃のもたれ、食欲不振、発疹、むくみなどの副作用が起こることがあります。他のお薬との飲み合わせもありますので、服用中のお薬は必ずお知らせください。多くの漢方薬は保険が適用されます。
低用量ピルと漢方薬は、どちらか一方を選ばなければならないものではありません。症状に応じて併用することもあります。ご希望や不安な点をうかがいながら、無理のない方法を一緒に考えていきます。
マイナ保険証(もしくは資格確認書)をお持ちください。避妊を目的とする場合は自費診療となりますが、診察の結果、治療を目的とした処方に切り替わることがあります。
はじめて受診される方は、直近の生理が始まった日、月経の周期、これまでにかかったご病気、服用中のお薬、喫煙の有無をお控えいただくと、診察がスムーズです。血圧の測定を行いますので、時間に余裕をもってお越しください。当日の流れは初めての方へでご案内しています。

えにわ産婦人科
院長 春日 芙貴子
得意な診療・専門領域
保有資格
所属学会
監修者紹介
札幌医科大学医学部を卒業後、函館五稜郭病院、市立釧路総合病院、札幌医科大学などの産婦人科で勤務。製鉄記念室蘭病院の産婦人科科長を経て、えにわ産婦人科の院長として診療にあたっています。
診療で大切にしていること
月経のお悩み、がん検診、不妊の相談、妊婦健診、更年期の不調に対応しています。検査の意味や病気の状態を説明し、一人ひとりのご希望に合う選択肢を、ご納得いただいたうえで選ぶことを大切にしています。
TOP